日本式国際学校へのオンライン・インタビュー研究

日本式国際学校へのオンライン・インタビュー研究

竹熊尚夫


 海外の日本式学校は当該国の位置づけからは日本人学校ではなく、現地の当該国人を受け入れることを想定していることから日本式国際学校とも呼ばれる。本研究において、前編の日本式高専の海外輸出以外に、日本式の教育を行うことをその学校の特徴とする、日本式国際学校を海外往還による新しい革新的なカリキュラムが試行され、制度化されるフィールドとして捉えている。本編では数は多くはないものの、タイ、ベトナム、中国などを対象として、調査研究を行った研究報告を行っている。日本式として評価される教育やカリキュラムが、当該国の教育制度と整合もしくは融合され、国際化や多文化による影響も受けながら、21世紀の教育として、補充できるカリキュラムや教育内容をそぎ落とし、必要な内容を教育機関として提供し、これからの国際社会、ICT社会、SDGs社会において有為な人材を養成するための、小学校から大学までの一貫したカリキュラムもしくは柔軟なプログラムとして改革を進める方策とあり方を目指して検討している。すなわち、幼稚園から大学までの教育制度のあり方の中で試験制度、学習方法、教師性と関係など様々な要因や文脈が働く中で、日本式の教育がどのように受容され、どのように変容されているのか、その中で変革をもたらす新しいカリキュラムの形成を探るのか本プロジェクトの目的である。
 中間報告の時点において、2年間、新型コロナのパンデミックの影響を受け、海外おろか国内の国際学校にも十分足を運ぶことが困難になった。海外渡航のチャンスを探りながらも2年目には海外渡航からオンライン調査に変更し、中国、ベトナムでは学校のオンライン授業のオンライン観察を始め、校長、教員、生徒へのインタビューを数回実施した。Withコロナの時代の研究は現在、様々な研究領域で模索されているところであるが、本プロジェクトの様々な学問分野を背景とする研究者がそれぞれ、別個のまた同一のインタビュイー(インタビュー対象者)との面接を数回重ねることもあり、様々なタスク・グループ、インタビュー・グループ、観察グループを構成し、多面的なインタビューの可能性も生じてきている。グループ内での多様な意見による他分野の学びは進みつつあるものの、こうして調査対象校のご厚意によって得られた情報をいかに最終的に総合するか、多面的多層的なインタビュー記録の総合は今後の課題となってきている。
 一方、日本人教員や海外の教員、国際的教員など、様々な登壇者(対象者)の役割や位置を解釈し、教育運営上の課題を検討していくことは比較教育学ならずとも、個人や集団、制度におけるその文化、社会的背景無しでは達成できない。こうした意味においても研究分野領域の総合、理系分野との総合を達成するため、オンライン会議をはじめ様々な集約方法を試み、経験や知識として蓄積していくことも今後重要な課題と考えている。
 また、中間報告書作成の現段階において、海外調査が未だ実施できないことから、モンゴルへの十分な調査が達成できていないが、中国、ベトナム、タイ等の研究知見をまとめながら、他の海外での日本式教育の取組状況について研究を進める計画である。