関連研究1:欧米諸国での国際的資格認証

5-2       
         欧米諸国の大学におけるアジア人留学生の位置づけ
         −国際的な資格・成績認証ネットワークを中心に−
花井 渉
(九州大学大学院/日本学術振興会特別研究員)

はじめに 


 近年、グローバリゼーションの進展とともに、国際的な高度人材の流動性が高まっている。このような中、各国の大学においては、国内における有益な人材育成とともに、国際的な人材の獲得といった2つの圧力によって展開している。このような2つの圧力への対応とバランスの摂れた大学運営が各国の大学共通の課題であるといえる。
 このような中、アメリカ、イギリス、オーストラリア、フランスやドイツなどの欧米諸国の大学では、これまで多くの留学生を受け入れており、世界の留学生市場において国際的な人材の獲得競争を展開してきた。今日の世界における留学生人口は、360万人(2010年時点)であり 、2020年には700万人に到達することが予測されている(British Council 2004)。そのため、今後益々拡大していく留学生市場における国際的な人材の獲得競争が、より一層激化することが予測できる。実際に、すでにこれまで留学生受け入れ国といえば、先述のアメリカ、イギリス、オーストラリア等、英語圏の国々であったものの、江藤(2014:4)、Institute of International Education (2014)によれば、近年中国が留学生受け入れ国として台頭してきており、現在アメリカ(764,495名)、イギリス(488,380名)、オーストラリア(435,799名)に次いで、世界第4位の留学生受け入れ国(292,611名)となっている。
このように、各国における留学生政策は、多様なかたちで展開している。また、学生の国際的な移動を奨励する政策も、各国において多様な政策的意図をもって展開している。OECD(2004)によれば、世界における学生の国際的な移動を奨励する政策の意図として、主に4つをあげることができる。すなわち、①国際的な「共通理解」の促進、②「高度専門人材の国際移動」の円滑化、③各国の高等教育機関における「財源確保」、④「国際的な能力育成」の促進である。
 留学交流は、これまで欧米中心に拡大してきた。1987年にはEC(欧州共同体)によるエラスムス計画(ERASMUS PLAN)が創設され、EC委員会の奨学金によって、ヨーロッパ域内の大学間で学生と教員の短期交換留学制度が実施されるようになった。また、1989年には、ヨーロッパ単位互換制度(European Credit Transfer System: ECTS)が導入され、学生は1年間留学しても在学期間を延長することなく卒業できるようになった(白圡 2011:1)。冷戦凍結後の1993年11月には、ECはEU(欧州連合)に展開し、ヨーロッパ統合の枠組みが強化され、エラスムス計画は1995年度からソクラテス計画に含まれて継続実施されるようになり、2005年度には15万人へと参加者を増やしている(同上:1)。その後、1999年には欧州29ヶ国の高等教育担当大臣によって、ボローニャ宣言が採択された。これは、2010年までに各国独自の学位制度を整理し、質保証基準を作成し、ヨーロッパ域内の学位を同等に評価すること等を目的として、「欧州高等教育圏」(European Higher Education Area)を成立させるものである(同上:2)。その後の2015年現在、参加国は47ヶ国にまで拡大している。そして、エラスムス計画は2004年からは、欧州域内の枠を越え、域外との学生と教員の短期交換留学制度、「エラスムス・ムンドゥス」が導入され、2014年にはEUが実施する多様なプログラムを統合し、国際的なスポーツ交流なども包含する「エラスムス+」が開始されている。このように、欧州域内から開始された国際的な学生の交流は、欧州高等教育圏が形成され、その交流プログラムも欧州域内−域外へとその範囲を拡大し、世界的な学生の流動性が高まっている。
 欧米諸国においては、留学生受け入れ体制として、超国家レベル、国家レベルと大学レベルにおける外国成績・資格認証基準が存在し、それぞれが留学生受け入れの際の基準として機能している。そこで、まず本稿では、超国家レベルにおける認証基準としてのヨーロッパにおける資格情報ネットワークである、ENIC-NARICに着目し、その制度、機能と課題を明らかにする(第1節)。次に、国家レベルの認証基準として、今日最も多くの留学生を受け入れているアメリカにおける受け入れ政策を概観し、アメリカにおける外国資格・成績評価制度(Foreign Credential Evaluation System、以下:FCE)の機能と仕組み、課題について、特にWESとAACRAOに着目して考察する(第2節)。次に、世界でアメリカに次いで第2位の留学生受け入れ国であるイギリスに着目し、留学生政策や受け入れの現況、国家と大学の各レベルにおける外国資格・成績評価基準について考察する(第3節)。そして、そのなかで、アジア人留学生がイギリスの大学において、どのような位置づけにあるのかについて、先行研究をもとに考察し(第4節)、全体のまとめを行なう。
 本稿の目的は、近年欧米諸国の大学においてアジア人留学生を受け入れる際、どのように資格や成績を認証し、受け入れを許可しているのかについて、その制度を明らかにする。また、今日の欧米諸国の大学におけるアジア人留学生の位置づけについて、現状と課題を通じて明らかにする。

1 ヨーロッパにおける外国資格・成績評価制度−ENIC-NARICを事例に− 

 先述のように、ヨーロッパにおけるエラスムス計画やそれに次ぐエラスムス・ムンドゥス等の展開により、アジア諸国からも多くの留学生が欧米の大学に留学している。
 しかし、これらの学生交流プログラムを開始する以前の1984年に、EC主導で「全国学術承認情報センター」(National Academic Recognition Information Centres、以下:NARIC)ネットワークを構築している。NARICの目的は、EU加盟国、欧州経済圏(EEA)諸国およびトルコにおいて取得された学位・資格の認証を改善することであり、欧州域内の高等教育機関の間の学生と教員の交流を促進するEUの生涯学習プログラム(LLP)の一環として構築されたネットワークである。
 このNARICは、すべての加盟国に国家情報センターが設置されており、当該国における学位・資格情報、学習時間に関する情報等を提供し、それら各国における情報センターのネットワークを構築することで、域内の情報共有を可能にしている。NARICの主な利用者は、高等教育機関、学生、教員、親や雇用主である 。
 その後、1997年にリスボンにおいて「欧州地域における高等教育に関する資格認証条約」が採択された。この条約には、他国からの高等教育進学や就職を容易にするため、他国の学位・資格について、本質的な違いがなければ自国の類似した学位・資格として認証し、学生や雇用主、高等教育等に対して、外国の学位・資格の認証に関する情報提供を行なう国家的な情報センターを設立することなどが盛り込まれている 。この条約を実現するために、欧州会議とUNESCOが設立したのが、「欧州情報センターネットワーク」(European Network of Information Centres、以下:ENIC)である。主な業務としては、外国の学位・資格の認証に関する情報提供、他国および自国の教育制度に関する情報提供、そして、留学に係る奨学金等に関する情報提供や個別相談等である。
 ENIC-NARICのホームページでは、各国における教育制度、学位・資格情報等が提供されている。主な掲載項目は次のとおりである。すなわち、①一般的な質問の問い合わせ先、②国レベルの教育関係機関、③教育制度、④大学教育、⑤大学以外の中等後教育、⑥認定された高等教育機関一覧、そして⑦外国の資格等の認定方針および手続きである 。ホームページからは、世界各国に関する上記の7項目を含むリンクが添付されており、各国政府機関や教育機関のホームページに飛ぶことができる。ここから、知りたい国の資格・成績評価に必要な情報を得ることができるようになっている。しかし、このENIC-NARICは、資格・成績等の情報等の提供のみであり、認証基準については、各国レベルまたは大学(機関)レベルにおいて、このネットワークを通じて得られた情報をもとに設定する必要がある。また、各国の政府機関や教育機関のホームページのリンク(特に、アジア諸国における教育関係機関)を確認したところ、すべてのホームページが英語等の国際通用性のある言語で閲覧できるわけではなく、適切な情報が得にくい場合がある。そのため、今後はENIC-NARICに掲載される各国政府機関や教育関係機関のホームページを英語等、国際的に通用性のある言語に翻訳する必要があるといえる。また、上記の7項目がすべて掲載されているわけではないため、情報の統一が必要になってくると考える。
 以上のように、超国家レベルにおける外国資格・成績評価制度に関しては、各国における資格・学業成績に関する情報提供が主な機能となっており、それらの評価基準に関しては、各国政府や大学に委ねられている。そこで、次節以降では、国家レベルにおける外国資格・成績評価制度について考察する。

2 アメリカにおける留学生受け入れ政策

 アメリカは、豊富な高等教育機関数やプログラムの多様性、利便性、柔軟性から、これまで多くの留学生を受け入れており、世界最大の留学生受け入れ国となっている。アメリカにおける留学生政策は、大学の国際化という文脈から、その一環として推進された経緯がある。まず、その経緯と留学生受け入れ政策について検討する。
 アメリカにおける国際化戦略の発端の一つとして、冷戦時代における旧ソ連によるスプートニック・ショックがある。当時のアメリカ連邦政府は、諸外国の政治、経済、社会体制、言語や文化等に対するアメリカ人の無知は、国家安全保障に関わる問題として改革の必要性が高まっていた。その改革の第一歩として、当時の連邦政府は、1958年に「国家防衛教育法」(National Defense Education Act)を制定した。そして、この教育法に基づき、連邦政府は1961年に「高等教育法タイトル第6条項」(Title Ⅵ)や「フルブライトへイズ奨学金プログラム」(Fulbright Hayes Program)を打ち出している(野田 2013:2)。しかし、その後アメリカでは国際化の取り組みは政策的に優先度が低く、連邦によるプログラム運営や財政支援は十分とはいえない状況が続いていた。
 一方で、機関レベルにおいては、各大学における留学生受け入れ体制の整備が行なわれ、てきた。その背景には、近年連邦政府や州政府からの教育関連予算の削減の一方で、高等教育機関が社会に果たすアカウンタビリティが一層求められるようになり(余語 2011:1)、グローバリゼーションの進展に伴う国際的な学生の移動への対応をせまられていた。そのため、各大学において、留学生受け入れ体制の整備は、最重要課題になったのである。しかし、政府からの教育関連予算の削減の一方で、こうした受け入れ体制の強化は困難な状況であったといえる。そこで、各大学は留学生を「顧客」になりうると考え、授業料を値上げすることで、財源確保を行なう手段をとったのである。州立大学の財源の半分以上は連邦・州政府からの助成金によって賄われているのだが、その助成金が削減されることは、大学経営の面からも非常に大きな問題であったといえる。また、私立大学はもともと助成金が得られにくいため、授業料からの収入が最大の収入源であった。そこで、州立・私立大学に関わらず、留学生の授業料をアメリカ人学生の授業料の2〜3倍に設定することで、多くの留学生を誘致することで、大学への多くの収入が見込まれるという考え方が広まったのである(余語 2011:2)。今日、留学生の誘致活動として、アメリカの大学の実に42%が中国での学生募集を行なっており、次いでインド27%、ブラジル26%、ラテン・アメリカ25%、東南アジア23%、中東諸国20%、韓国20%、欧州諸国17%、日本11%、その他9%、そしてアフリカ諸国6%となっている(Institute of International Education 2014:)。このように、各国において大学事務所の設置や広報・誘致活動を行なうことで、アメリカは大学の収入確保と国際的な留学生市場において多くの留学生を獲得しているのである。
 このような各大学や関連機関による留学生受け入れ体制整備により、アメリカは世界最大の留学生受け入れ国となっている。その後、2009年には、オバマ政権(第1期)において、経済成長を続ける中国・南米における国際交流の促進することを目的として、”100,000 Strong Initiative”および“100,000 Strong in the Americas effort”と呼ばれる留学生受け入れ10万人計画を発表している。そして、オバマ政権の第2期にあたる2011年には、連邦教育省が国際戦略、”Succeeding Globally Through International Education and Engagement”を発表した。その後、2014年1月15日に、アメリカ国務省(Department of State)は、アメリカとラテン・アメリカおよびカリブ諸国との間における大学生の交換留学を促進、拡大、支援するため、100万ドルを拠出して、「10万人ストロング・イン・ザ・アメリカズ・イノベーション基金」(100,000 Strong in the Americas Innovation Fund)を同年1月17日に設立することを発表している(日本学術振興会 2014:3)。このように、近年のアメリカにおいては、教育の国際化戦略への連邦政府の介入が行なわれるようになってきており、国家として留学生受け入れ・送り出し政策を重視していることが分かる。 

2-1 アメリカにおける留学生受け入れの現況
 フルブライトの統計データによれば、現在アメリカの大学および大学院に留学している学生数は88万6,052名であり、そのうちのアジアからの留学生数は、56万8,510名(2013/14年度)である 。この留学生数からも分かるように、アメリカにおける留学生全体の実に64%がアジアからの留学生であり、31%が中国からの留学生である 。表1からも分かるように、上位3ヶ国のみで留学生全体の51%を占めており、アジアからアメリカに留学する学生が多いことが分かる。
 また、これらの留学生のうちの65%が私費留学生である。そして、アメリカ商務省(US Department of Commence)によれば、これらの留学生が2013年にアメリカ経済に及ぼした経済効果は270億ドルであるとされている(Institute of International Education 2014: 19)。また、特にこれら留学生の64%がアジアからの留学生という点からも、アジア人留学生の位置づけも非常に高いものといえる。

表1 アメリカにおける留学生の出身国順位 [出身国(順位) 留学生数 全体に占める割合]
中国 274,676 31%
インド 106,326 12%
韓国 70,884 8%
サウジアラビア 53,163 6%
カナダ 26,582 3%
その他 354,421 40%
出典:Institute of International Education (2014)からのデータをもとに筆者作成

 以上のように、アメリカでは多くの留学生を受け入れている。これら多くの留学生は、それぞれが母国や他国で修めた後期中等教育における成績や資格をもって留学を目指している。そのため、これら多様な学習背景をもつ留学生の資格・成績の適切な認証基準の設定は、国内の大学の質保証にとって非常に重要な基準となる。アメリカでは、留学生受け入れに際し、多くの関係機関が存在している。次節では、アメリカにおいて多く存在する留学関係機関のうち、「世界教育サービス」(World Education Service、以下:WES)と「全米大学登録入学担当者協会」(American Association of Collegiate Registrars and Admissions Officers、以下:AACRAO)に着目し、機関の概要と外国資格・成績評価制度について考察する。

2-2 アメリカにおける外国資格・成績評価制度−WESを事例に−
 WES(World Education Service)は、1974年設立された非営利の外国成績・資格認証評価機関である。40ヶ国語をカバーする37ヶ国からのスタッフを有し、世界各国における資格・成績情報を収集し、認証評価を行なっている。このなかには、中国、インドや韓国を含む、アジア各国における資格・学業成績等に関する情報も含まれている。そのため、アメリカやカナダにおける2500以上の大学から認知され、大学入学審査の際に活用されている。また、研究やアドバイス・サービスを通じて、国際教育の動向に関する情報提供を行なっている。WESのミッションは、世界的に移動する人材のアメリカの大学や労働市場への参入を、国際的な教育資格や成績の適切な認証評価を通じて促進することである。そのヴィジョンとしては、将来国際的な人材の移動はボーダーレスに行なわれ、学術資格を理解・認証するためのバリアを取り去ることとされている。
 アメリカの大学への留学を目指す学生は、自らが後期中等教育修了時に修めた学業成績や取得した資格がアメリカにおいてどの程度の学力であるのかを知るために、まずWESに申請し、証書、成績証明やその他WES指定の申請書を提出することから始まる。申請以降の外国成績・資格評価プロセスは、以下のとおりである。

 ステップ1:インターネット上でWESに申請
 ステップ2:WESが指定する国別提出書類(成績証明等)をWESに郵送
 ステップ3:WESによって提出された学業成績が、アメリカでどの程度の学力レベルであるのかについて評価され、公式な資格・成績評価報告書が作成される
 ステップ4:資格・成績評価報告書はWESから直接志願大学に送られる

 この申請システムを通じて、志願者は母国にいながら申請することができ、直接申請ではなく、WESを通じて申請することで、円滑な大学進学手続きが可能となる。また、大学にとっては、入試業務の簡素化、多様な資格・成績情報の取得などが可能となっている。この外国成績・資格評価プロセスは有料であり、評価の種類によって100〜260ドルで行なわれる。外国成績・資格評価は、GPAに基づき、4段階で評価されている。申請から公式な資格・成績評価報告書が志願大学に提出されるまでに概ね1週間を有する。大学は、WESから受け取った志願者の成績評価をもとに入学許可を出すことになっている。

2-3 アメリカにおける外国資格・成績評価制度−AACRAOを事例に−
 AACRAOは、1910年に設立され、大規模な公的機関から中小の私立リベラル・アーツ・カレッジまで、高等教育コミュニティにおけるすべてのセクターを代表する機関である。AACRAOは、大学入学手続きに関するマネージメント業務、入試業務、記録管理、登録、財政援助、情報技術、学生サービス等を行なう機関として認証されている。(株)外国資格・成績評価は、評価を行なう際、このAACRAOが作成したデータベース、「AACRAOグローバル教育に関する電子データベース」(以下:AACRAO EDGE)を活用している。
 AACRAOが本格的に国際教育圏に参画し始めたのは、1950年代からである。1948年に国際教育者協会(NAFSA)が設立されたものの、国際教育に関心のある関係者の多くは、AACRAOとNAFSAの両協会に参加していた。そこで、両協会が恊働で各国の教育制度や大学入試制度等の情報収集を開始したのである。その後、1950年代半ばにアメリカの情報局からの助成を受け、各国の教育制度に関する情報やデータ収集を行ない、「国際教育研究報告書」を提出するようになった。これが、現在の外国資格・成績評価制度の基礎となったのである。この連邦政府からの助成は、1980年代末には打ち切られたものの、AACRAOは各国の教育資格や学業成績に関する情報収集を続け、それらをまとめた報告書を出し続けたのである。
 その後、2001年には、当時のAACRAO副代表の提案により、これまで収集してきた各国の資格・学業成績に関するデータを電子化することになった。これが、現在も利用されているAACRAO EDGEである。当初は、大学入試関係者を中心に活用されていたものの、アメリカの移民入国管理を行なう全米市民・移民サービス局(USCIS)が、移民へのビザ発行の際に、このAACRAO EDGEを活用するようになると全国的に認知されるようになり、1500を超える機関や団体によって、外国資格・成績評価の指標として活用されている(AACRAO 2014)。
 AACRAOにおける外国資格・成績評価プロセスについては、WESと同様、まずアメリカの大学への留学志願者によって後期中等教育修了資格または成績証明書をAACRAOに提出することから始まる。その後、AACRAOの評価者による送られてきた外国資格・成績評価制度の評価が行なわれ、公式な資格・成績評価報告書が大学へと送られる。ただし、この評価報告書は、志願する大学がAACRAOに加盟する大学(メンバー大学)でなければならず、そうでない場合は、志願者自身が大学に評価報告書を提出しなければならない。AACRAOによる評価プロセスも概ね1週間となっている。そして、アジア各国における資格・成績情報に関しても、AACRAOの評価者による情報収集が行なわれており、評価の際に参考にされている。

2-4 アメリカの留学生受け入れ制度における課題
 以上のように、アメリカでは、高等教育の国際化の一環として、留学生受け入れ体制や誘致・広報活動が大学レベルで活発に行なわれ、近年連邦政府の介入により、これまで以上に積極的に行なわれるようになっている。これは、特に留学生誘致がアメリカの歳入に大きく貢献する点やアメリカの大学で学んだ留学生が母国との架け橋になり、さらなる利益をもたらすという考えが広く認識されたためであるといえる。また、WESやAACRAOによって行なわれる外国資格・成績評価は、両機関各国の教育資格や学業成績に関するデータをもとに、アジア人留学生の資格・成績認証を行なっている。
 しかし、OECDによる2010年の発表によれば、2001年時点におけるアメリカは、世界中の留学生の約28%を受け入れていたものの、2009年にはその数が20%にまで落ち込んでいる。その背景には、先進諸国や新興国が留学生市場に参入し、国際的な人材の獲得競争がこれまで以上に激化している点が関係しているといえる。また、それに加え、イギリスのブリティッシュ・カウンシルによる留学生政策や支援の評価に基づいた世界ランキング、”Global Gauge”において、アメリカは第6位にランク付けされている。このランキングは、プログラム数、授業料、留学生政策の国家的な目標、海外の大学分校の質保証、留学生の就労許可等の基準に基づいたランキングである。アメリカがこのランキングで第6位に位置づいている理由として、特に留学生支援体制の弱さが指摘されている(余語 2011:2)。また、アメリカに留学し、卒業した学生の就労を許可する政策や基準が欠如している点も影響していると考えられる 。アメリカでは、留学生を「顧客」として利益をもたらすという考えが広く認識されているものの、在学中の留学生支援やその後の就労許可に関しては、整備が遅れているといえる。そのため、今後は誘致活動のみならず、支援体制や就労に関する規制緩和も必要になってくると考える。

3 イギリスにおける留学生受け入れ政策

 イギリス における留学生受け入れ政策は、1980年代のサッチャー政権(当時)の大学改革以降活発に行なわれるようになった。大崎(2006)は、サッチャー政権が大学にも市場原理を及ぼすために、大学に対して教育・研究等のサービスを販売するという意識を持つことを求め、留学生の受け入れを国の重要な収入源であると位置づけたと述べている。その具体化として、留学生からはフルコストの授業料を徴収する政策を打ち出している。
 このような留学生を国の重要な収入源と位置づける政策を継承したブレア労働党政権(当時)は、2006年4月より5年間で留学生の受け入れをさらに10万人増やす計画を発表した。これはブレア首相が1999年に発表した2005年までに留学生を7万5000人増やすという計画が、実際には2005年時点で11万6000人増になったために発表された、第2次計画というべきものである(大崎 2006:55)。
 そのため、2006/07年度からは、個々の大学の判断で、年3,000ポンドまで授業料を値上げすることが可能になった(大崎 2006:57)。ただ、これはイギリスおよびEU圏からの留学生のことであり、非EU圏からの留学生の授業料の額は、個々の大学の判断に任せられており、Reddin Surveyの調査によれば、2011年時点で非EU圏からの留学生には、人文社会科学系の学部では、9,000〜10,800ポンド、自然科学や工学系の学部では、10,200〜13,800ポンド、そして医学部では、23,200〜26,000ポンドであり、非常に高額な授業料が課されていることが分かる 。イギリスでは、留学生(International Student)を主に2つのグループに分類することができる。一つが「EU圏」からの留学生ともう一つが「非EU圏(Non-EU International Student)」からの留学生である。これは、イギリス高等教育統計局(HESA)の統計データにおいても同様の分類がなされている。
 しかし、このような非EU圏からの留学生への授業料の値上げは、イギリスへの留学生数を減らす要因にはならないのであろうか。これに関して、大崎(2006:57)はイギリスにおける留学生政策は、教育を輸出産業と見ることが一般的であり、留学生招致の方策にも次のような方策がとられていたことを明らかにしている。すなわち、第一に、留学希望者へのビザ発給の円滑化、学習の全コース期間の滞在許可など入国規制の緩和。第二に、ブリティッシュ・カウンシル(British Council、以下:BC)海外オフィスを活用して海外における広報・相談活動の強化。第三に、大学が保障した仕事であれば、入国審査の際、それを支払い・自活能力の証明と認める。第四に、チェヴェニング奨学生(イギリスを代表する留学生奨学制度)を、1,000人増やすことである。
 このような政策と体制整備により、イギリスにおける留学生数は増加し続けており、2012/13年度時点での留学生人口は、226,400人であり、そのうちの146,945人が非EU圏からの留学生である 。

3-1 イギリスにおける留学生受け入れの現況 
 イギリス高等教育統計局のデータによれば、現在、イギリスに留学している非EU圏からの留学生数は、310,195名であり、その出身国(上位10ヶ国)は、以下のとおりである。

表2 イギリスにおける非EU圏留学生出身国
出身国
(順位) 2009/10(年度) 2010/11 2011/12 2012/13 2013/14 前年度からの増減率
中国 56,990 67,325 78,715 83,790 87,895 5%△
インド 38,500 39,090 29,900 22,385 19,750 12%▼
ナイジェリア 16,680 17,585 17,620 17,395 18,020 4%△
マレーシア 14,060 13,900 14,545 15,015 16,635 11%△
アメリカ 15,060 15,555 16,335 16,235 16,485 2%△
香港 9,945 10,440 11,335 13,065 14,725 13%△
サウジアラビア 8,340 10,270 9,860 9,440 9,060 4%▼
シンガポール 3,775 4,455 5,290 6,020 6,790 13%△
パキスタン 9,815 10,185 8,820 7,185 6,665 7%▼
カナダ 5,575 5,905 6,115 6,190 6,350 3%△
その他 102,020 103,400 104,150 103,260 107,820 4%△
合計 280,760 298,110 302,680 299,970 310,195 3%△
出典:https://www.hesa.ac.uk/statsからのデータをもとに筆者作成

 上記の表からも読み取れるように、アジアからの留学生の出身国のうち、最も多いのが中国(87,895名)であり、次いでインド(19,750名)、マレーシア(166,35名)、香港(特別行政区)(14,725名)、シンガポール(6,790名)、パキスタン(6,665名)となっている。また、インドとパキスタンからの留学生に関しては減少しているものの、その他アジア4ヶ国からの留学生数は増加傾向にある。そして、上位10ヶ国のうち、6ヶ国がアジアからの留学生であるという点からも、イギリスにおけるアジア人留学生は重要な位置づけにあるということがいえる。

3-2 大学・カレッジ入学サービス機構(UCAS)による外国成績・資格認証制度
 UCASは、2002年9月にUCASタリフ(UCAS Tariff)とよばれる、全国統一資格ポイント換算表を作成している。このUCASタリフは、大学進学希望者が後期中等教育段階で取得したアカデミックな資格や職業資格を含む多様な資格の認証を行ない、高等教育機関側が入学要件を出す際に参考にされるものである。
UCASは、国内外の各教育プログラムのシラバスの目標、カリキュラム構造、サイズ(授業時間数、教育内容、範囲)、評価方法試験問題、採点方法、取得要件、パフォーマンス・レベル、コースワークをもとに、資格・成績換算ポイント「UCASタリフ・ポイント」(以下:UTP)を与えている。
しかし、その後大学などから資格・成績に関する基準が不明確であるという批判を受け、UCASでは現在、「新資格情報サービス」(New Qualifications Information Service:NQIS)プロジェクトを立ち上げ、「新UCASタリフ」の導入に向け、基準の改訂を行なっている。NQISは、5つの代替モデル案を一つずつ検証し、結果的に各資格を「サイズ群」(Size Bands)と「成績群」(Grade Bands)に、それぞれを振り分け、サイズ×成績という公式によって新UCASタリフ・ポイントを算出するという方法を採用している。
 UCAS(2014)によれば、サイズ群は、「規定上の学習時間」(Guided Learning Hours: GLH)または、「概念上の学習時間」(Notional Learning Hours: NLH)によって、4つのサイズ群 に振り分けられる。成績群は、12の成績群によって構成されており、3-14までの尺度によって振り分けられている。この「サイズ群」と「成績群」をかけた数値が、「新タリフ・ポイント」となる。この新UCASタリフは、2017年からの導入に向け、現在段階的な導入が進められている。

3-3 イギリスにおける各大学レベルの外国成績・資格認証基準
 しかし、大学レベルでは選抜を行なう際に、国家レベルのものとは異なる外国資格・成績評価基準を設定している。これは、特にラッセル・グループに属する大学を始めとする名門大学において、大学入学者選抜の際に、先述のUCASタリフを利用せず、各大学独自の資格成績比較対照表を作成し、選抜の際の基準としている。
 イギリスの大学では、毎年定員割れを起こしている大学を、”Recruiter University”、そして選抜性の高い大学を”Selective University”と呼び、これら大学では独自の外国資格・成績評価基準、受け入れ方針や合否判定システムを採用しているのである 。ラッセル・グループ所属大学の入試関連のホームページにおいては、Entry Requirement(入学要件)として、各国の資格や学業成績での入学要件が検索できるようになっており、アジア諸国からの留学生を受け入れる際にもこの要件が用いられている。

4 欧米諸国の大学におけるアジア人留学生の位置づけ−イギリスを事例に−

 これまで検討してきたように、欧米各国の大学におけるアジア人留学生は増加傾向にあり、受け入れの最大の目的である国の収入源の確保に大きく貢献しているといえる。特に、欧米諸国における中国人留学生数は、留学生出身国のなかで突出して多い状況にある。この傾向は、イギリスにおいても顕著に表れており、2013/14年度における留学生総数の28%を中国人留学生が占めている。
 しかし、イアネッリら(2013)の研究によれば、このような留学生の増加は、同時に留学生の質も変化させる結果を招いていることが指摘している。1998年時点におけるイギリスの学士課程での中国人留学生数は、約1000名程度であり、その多くが国費留学生であった。しかし、中国国内のおける高等教育の拡大を目的とした1995年の211工程やその後、重点大学を指定し、予算配分を集中させることを目的とした1998年の985工程により、中国の高等教育は急速に拡大したものの、その一方で大学入試制度については、引き続き伝統的に厳密で選抜性の高い制度を維持したため、入試制度はますます競争的になっていったのである。そのため、海外の大学への進学を目指す生徒が増加し、2008年には約7000人近くの中国人留学生がイギリスの学士課程に留学しており、イギリスにおける中国人留学生の増加につながっているといえる(Iannelli and Huang 2013)。
 また、イギリスの大学に留学する中国人留学生の特性の変化として、①低年齢化、②女性の増加、③私費留学、④進学(留学)以前にAレベルを取得していることを明らかにしている(Iannelli and Huang, 2013: 11)。そのため、1998年時点と今日における中国人留学生を比較した場合、留学目的、性別、留学費用、学歴等、その特性が変化していることが分かる。
 このように、留学生の特性の変化は、大学で最終的に取得する学士学位の成績にも影響を与えている。イギリスの大学における学士学位には、学位水準が存在し、First class, Upper-second class, Lower-second class, Third class, Unclassifiedの5種類となっている。イギリスでは、上位2水準が優秀学位(Good degree)とされており、First class degreeに関しては、学士課程での成績が全体のトップ10%の学生しか取っておらず、社会的に高く評価されている 。
 しかし、近年イギリスに留学する中国人留学生が最終的に取得する学士学位の水準レベルが低下していることが明らかにされている。特に、Third class学位しか取れない学生が、1998年時点での14%から2008/09年には、21%へと増加している(Iannelli and Huang, 2013: 21-22)。

表3 イギリスの大学における中国人留学生が取得する学位水準(%)
学位水準 1998/2001 2004/05 2008/09
First class 5 7 7
Upper-second class 24 26 25
Lower-second class 50 44 43
Third class 14 18 21
Unclassified 8 6 5
出典:Iannelli, C. and Huang, J. (2013) をもとに筆者作成

 このような留学生の特性の変化や質の低下は、受け入れ側としてのイギリスの大学の質の低下にもつながる可能性があるといえる。そこで、今後イギリスの大学では、これら増加傾向にある中国人留学生に対する学習支援を含めた支援体制を整備する必要性が高まってきているといえる(Iannelli and Huang, 2013: 25)。

おわりに

 以上、考察してきたように、今日の欧米諸国の大学におけるアジア人留学生は、増加傾向にあり、その受け入れ方法や手段には、欧米諸国間のネットワーク構築が行なわれていることが明らかになった。また、このネットワークは欧州諸国を越えてアジア諸国、そして世界規模のネットワーク構築の動きが見られる。そのような中、アジア人留学生の受け入れについては、欧米諸国では、超国家レベル、国家レベルおよび大学レベルの各レベルにおいて、それぞれの外国資格・成績評価基準を設定している。
 超国家レベルについては、特に欧州におけるENIC-NARICネットワークがEU域内−域外学生交流や人材の流動性を高める目的で構築されている。しかし、情報が統一されていないケースも見られ、また英語等の国際的に通用性の高い言語での情報が得られない情報ソースも存在している。
 国家レベルについては、アメリカではAACRAOやFCEといった民間主導の外国資格・成績認証評価制度を整備しており、イギリスにおいては、UCASが国内の多様な資格群と同等に外国成績・資格の認証評価を行なっている。アジア諸国からの留学生のもつ資格や学業成績についても、各機関がもつデータベースをもとに認証評価されている。
 そして、大学レベルでは、特にイギリスにおいては、ラッセル・グループ所属大学をはじめとする、いわゆる”Selective University”において、各大学独自の外国成績・資格認証評価基準を設定し、留学生の受け入れを行なっている。アジアからの留学生に対しても、入学要件が提示されており、それを基準に認証評価が行なわれている。
 欧米諸国の大学におけるアジア人留学生の位置づけに関しては、以下の3点が明らかになった。まず、1点目として、今日の欧米諸国の大学における留学生の半数以上がアジア諸国からの留学生であり、そのなかでも特に中国人留学生が増加傾向にあるという点である。2点目として、欧米諸国の大学における留学生受け入れ政策の視点から見た場合、大学とってアジア人留学生は、国の大きな収入源として位置づいている点である。そして、3点目としては、欧米諸国の大学において増加し続けるアジア人留学生(特に中国人留学生)の質の変化に伴い、大学の質の低下を招く要因になる可能性があるという点である。そのため、今後はより一層、留学生のニーズの理解と留学生支援体制の整備の必要性が高まっているといえる。

参考文献
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Iannelli, C. and Huang, J. (2013) Trends in participation and attainment of Chinese students in UK higher education, Studies in Higher Education, (2014年3月4日にロンドンで開催された高等教育研究会(Society for Research into Higher Education: SRHE)資料
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http://ies.aacrao.org/(2015年3月9日付確認)からの情報をもとにしている。
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本稿では、特に明記しない限り、イングランドを指す。
http://www.thecompleteuniversityguide.co.uk/international/studying-in-the-uk/applying-to-a-british-university/(2015年2月22日付確認)
http://www.m.hesa.ac.uk/uk-he-stats/ (2015年2月14日付確認)
第1サイズ群が120時間以下、第2サイズ群が121−219時間、第3サイズ群が220−319時間、そして第4サイズ群が320時間以上の学習時間を有する教育プログラムごとに振るい分けられる。
Ann Hodgson et.al (2005) Higher education, Curriculum 2000 and the future reform of 14-19 qualifications in England, Oxford Review of Education, Vol.31, No.4, pp.479-495
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/41/041_1/attach/1291607.htm(2015年3月5日付確認)

花井 渉(九州大学大学院/日本学術振興会特別研究員)


プロジェクト期間 2013年4月~2016年3月
プロジェクト事務室
比較国際教育学研究室
 
〒812-8581 福岡市東区箱崎6-19-1
TEL   092-642-3115,6 /FAX  同左
メンバー
博士後期課程   
修士課程 
研究協力者  
 
 
 
 

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